デッドマウント・デスプレイ

胡蝶・エイトポートの新宿グルメ探訪レポート

第5弾:王道の背脂系ラーメンは至高の一杯!『らーめん味里』

背脂系ラーメンの真髄を味わう

いよいよ特集の取材も大詰め。グルメ探訪のオーラスは何がいいだろうかと悩んでいる胡蝶・エイトポートの横を、フラフラっと少し疲れた様子で右に左に歩くアニメスタッフYが通る。……アニメ制作が佳境なのだろうか?

アニメスタッフY「(ボソッ)……最近通うようになったラーメン屋さんがあります。ランチにもちょうどいいラーメンです。チャーシューが溶けるタイプでおいしいです……」

一瞬の出来事だった。あの呟きは何だったんだろうか。……オススメされた? しかし、ラーメンか。グルメ企画の定番とも言える“王道”で締めくくるのも悪くない。いや、むしろ最高なのでは? 胡蝶・エイトポートは、カメラとペンを持ち、颯爽とお店へと向かった。

東新宿駅B3出口から5分ほど歩くと見えてくる戸山ハイツ。その一画にお店は構えられていた。シンプルに「麺」と描かれた看板・ドアの入口からは、「ラーメンで勝負する」という気概を感じる。お店のドアを開けた後、丁寧に迎え入れてくれた店主に、さっそく取材を行った。

店主は、もともと1995年に神奈川にて創業、東京出身ということもあり10数年前に東京へ。この場所に店を開いてからは、ことしで10年目になるという。新宿の繁華街とは少し離れたここを選んだのは、路面店ではないことでの自由度の高さと、落ち着いた雰囲気が漂っていたのが決め手。30年弱ラーメンで商売をやってきたなかで、「最後は落ち着いた場所でのびのびとラーメンを作りたい」という思いがあったそうだ。

お店で提供されているのは、背脂系のラーメン。味は醤油・塩・味噌・ピリ辛といくつか種類がある。

「特にオススメのメニューは何ですか?」

店主に聞いたところ、「背脂系のオーソドックスは醤油ですね。塩・味噌・ピリ辛はそれぞれのブームのときにお客さんから要望があったので、時代に合わせて提供するようになりました」という答えが返ってくる。アニメスタッフから「チャーシュー」の情報を聞いていた胡蝶・エイトポートは、醤油ラーメンのチャーシュートッピングを注文した。

注文してから数分で着丼したのは、ネギ・メンマ・チャーシュー、そして麺と、シンプルな具材で構成された背脂系の醤油ラーメン。「入れれば入れるほど味が壊れちゃう可能性がある。もし好みがあれば、テーブルに置いてあるトッピングで味付けしてもらえれば」と店主は言葉にするが、シンプルゆえに味がごまかせない。具材の少なさは「ラーメン」の味そのものへの自信の表れと言えるだろう。

さっそくレンゲでスープをすくい、口に運ぶ。

「えっ、あっさりしていて食べやすい!」

「背脂」と聞くと、何となくこってりというイメージがあった胡蝶・エイトポートは、非常に飲みやすいスープに驚いた。その様子を見た店主は「背脂って、本来はこういうもの」と一言。背脂系のラーメンが流行ったときは、インパクト重視でギトギトさせるお店が多かった。しかし、本来背脂系はあっさりして食べやすいもの。麺も背脂系は太麺で提供するお店が多かったが、ブーム前までは細麺が主流だったため、『らーめん味里』では特注の細麺を使っている。チャーシューもアニメスタッフの証言通り、トロトロで最高においしかった。

何度もブームが再燃し、様々な進化を遂げているグルメ“ラーメン”。しかし、王道路線を貫くことが結局はひとつの答えなのかもしれないという思いを巡らせながら、胡蝶・エイトポートはお店を後にした。

「ごちそうさまでした!」

会社に戻って、特集の記事をまとめる胡蝶・エイトポート。今回取材した5店舗はそれぞれジャンルも場所も異なっていたが、共通していたのは「常連さんが通っている」ということだった。何度も足を運びたくなる味とお店の雰囲気。それが、飲食店では大切なことなのかもしれない。

「まだまだ知らない“新宿のおいしさ”がある!」。

最初こそあまり前のめりではなかった胡蝶・エイトポートだったが、気が付けば食の奥深さに引き込まれていた。「新宿って街は面白い」。胡蝶・エイトポートは、少し笑みをこぼしながらそう呟き、筆を進める。

★今回、取材したお店はコチラ★

らーめん味里
住所:東京都新宿区戸山2-33
営業時間:11:30~20:30 ※売り切れ次第終了
定休日:日曜 ※祝祭日は営業。その他臨時休業あり。
詳細は公式Xをチェック

★今回、注文した商品★
醤油ラーメン(チャーシュー) 税込1,150円

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